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2014年3月19日水曜日

『ロシア、クリミヤ編入』 ・・新聞の偏向紙面に隠された正論?

 今朝の日経1面トップ記事は、プーチン大統領が、ロシアによるクリミア編入に踏切った事件に関するものである。他紙は取っていないが、多分、同様だろう。 趣旨も大差ないと思われるが、一つだけ、おや!と思われる部分があった。

本来、こういう微妙な表現で編集者が暗に読者に伝えたいことこそ、ネットユーザーに採り上げて議論して欲しいところだが、多分、誰も指摘する者はいないだろう。 多くはリテラシーが無いからだろうが、中には、編集者の意図をバラシてしまっては、反って国益に反することになると気を廻し過ぎた人もいるだろう。 

しかし、そんな懸念があるなら、編集の段階で最初からカットされていたはずだから、飽くまで編集の意図は、能ある人たちに知って欲しいからであろうし、その中には当然米中を始めとする外国の政府やメディアも含まれる。 というわけで、私が何を 「おや?」 と思ったかを披露して、諸賢の感想をお聞きしたい。 

トップ記事のタイトルは、4段大見出しの 『ロシア、クリミヤ編入』 で、以下11段にわたって、プーチンの演説要旨と日米欧の制裁強化・・云々の客観的報道記事が続くが、字数は左程多くない。

その記事と3本線で仕切ってあるとは言うものの、うっかりすると、その続きであるかの印象を与える編集で、編集委員 池田元博氏の署名記事が載っている。 タイトルは 『ゆれる秩序 世界にリスク』 とあり、まず、冒頭で、
① 『ロシアによるクリミヤ半島の編入は、冷戦後の国際秩序を大きくゆるがすものだ。・・』 と謳って、親欧米色を打ち出した上で、安保常任理事国間の紛争収集能力の弱体化を憂いて見せる。また、最後のほうでは、 
② 『大国の傍若無人な振る舞いは、世界の各地で紛争リスクを燃え上がらせかねない。・・』 と〆て左右どちらからも揚げ足を取られないよう配慮されているように見える。 

私が注目するのは以下の2点である。
1、記事の途中にさりげなく次の一説が挿入されていること ③ 『・・・そもそも米国もロシアの反対を無視して安保理決議抜きにイラク攻撃に踏み切り、オバマ政権も単独でシリアに軍事介入しようとした。 過去をロシアは忘れていない。・・』
2、この記事が一面トップの報道記事(会社責任)とは、区別された一編集委員の署名記事(個人責任)の形を取っていること。

以上から日経編集部の心を推察すると・・

『ロシアの行為は[北方領土]を抱える我国としては、反対せざるを得ないが、米国や西欧諸国にそれを言う資格があるか・・』 と言いたい。 しかし、どこかから必ずお咎めや確信犯の揚げ足取りが飛んでくるに違いないから、その場合に備えて個人の署名記事にして置こう。 という辺りだろう。

それにしても、署名記事を買って出た池田元博編集委員の勇気と見識に敬意を表したい。

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