私が小学校就学前に尤も夢中だったのは蝉取りだったが、就学後は、それに、ラバウル帰りの叔父に教えられた沢蟹取りが加わった。 という訳でここのところ毎朝続けている散歩の折には、緑道や歩道の木という木に目を配っているが、梅雨も明けたというのに一向に目に付かない。
ところが公園で地面を見るとたくさん穴が開いている。 あたりで頻りに雀が鳴いているのを聞いて、ハハーンと合点が入った。 多分、梅雨明けと
同時に蝉自体は穴から這い出してくるのだが、片端から雀その他の小鳥の餌になってしまうのに違いない。 鳴き声が聞こえ出すのが一週間くらい遅れるのはきっとその所為だろう。
子供の頃は自宅の庭木や校庭の楠の根元を掘って所謂穴蝉を捕まえるのが楽しみだったが、今の子供でこういう遊びを遣っている子を見たことがない。 聞くところによると彼のアリストテレスの残した書物に 『蝉は羽化する直前が一番美味だ』 とあるそうだが、何も "不思議発見" を引き合いに出さなくとも十分納得できる話である。
ところが、今朝6時前に家を出る時、門口のタイルの上に抜け殻が落ちていたので、辺りを見回すと、油蝉が一匹まだ朝日の当たらない道路の
上で無防備に羽を干しているではないか! 始めは、てっきり脱皮に失敗して死んでいるのかと思ったが、杖の先でそっと押してみたら、超低空飛行でゆっくり羽ばたき、辛うじてお向かいさんの垣根まで飛んでいッた。 三十分程して散歩から戻った時、まだそのままの状態で留まっていたので、急いで家からデジカメを持ち出して撮ったのがこの写真である。
蝉については、2010年2月19日の日記に "油蝉の鳴き声とモーツアルトのトルコ行進曲の一部が似ている!" と書いて実際の音を比較して聞いていただくつもりだと約束したものの未だに果たしていない。 そのうち公園で録音したものと娘に頼んでさわりの部分を弾いてもらって比較したいと思ってはいるが・・・。
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