ページ

ページビューの合計

2015年5月11日月曜日

日本文明復権の条件

米国人の道徳観を支えて来たのは、日常語にまで浸透し、格言化して全国民に共有されている聖書由来の決まり言葉ですし、日本の道徳観を支えて来たのも、やはり、日常語にまで浸透し、格言化して全国民に共有されてきた仏典や四書五経由来の決まり言葉でした。幕末から明治初期に来日した欧米知識人が一様に日本人の民度の高さに一驚したのも当然です。

維新政府の火事場泥棒的元勲と袂を別った西郷隆盛が守ろうとし、その西郷に懇請されて明治天皇の侍従となった山岡鉄舟が、西郷との約束を果たすべく、西南戦争後も単身侍従職に止まったのもこの伝統を守るためでした。
”義を見てせざるは勇無きなり!”

その伝統は維新後の公教育から排除されるとともに徐々に失われて来ましたが、WWⅡ後の、伝統否定と言葉狩り(プレスコード、漢字制限、振り仮名廃止、等々)によって壊滅的に失われ、私たちは、倫理・道徳や世界観を表現する「格言」を共有できなくなってしまいました。

骨肉化した心情は残っていても直接日本人に接した人にしか理解されません。言葉を奪われた(棄てた!)民族の末路でしょう。
今日の日本人が欧米人から倫理道徳の欠如した知能ロボットと誤解(曲解)されても言い返す言葉に窮する所以です。

僅かな希望は、伝統的教養を遊びにする気風が健在なことです。
武道、茶道、・・等々、習い事の道徳化
・漢字検定、四文字格言クイズ、・・等々、遊びの教養化
・イチロー、浅田真央、・・等々、スポーツの修養主義
桂三輝(落語の多言語化)沼尻竜介(民話のオペラ化)KPP(童唄の国際化),・・等々、日本語文化の復権

これに、
・政治家の哲人化(日記または回顧録執筆、・・等々、歴史の証言者となる)
・文学者の脱イデオロギー化(時代精神、民族精神との対峙、大河小説の執筆、・・等々、民族を代表する大思想家に脱皮)
宗教家の脱営業化(存在理由の宣言と実践)
の3点セットが揃えば、日本文明の復権が実現するでしょう。

https://www.facebook.com/masuteru.sekiguchi

0 件のコメント:

コメントを投稿