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2010年8月10日火曜日

泉下の村上泰亮氏に詫びる・・・幻に終わった村上・山本会談

7月23日の日記で日経コラム(明日への話題)での村上陽一郎氏の言に触れたが、7月30日の同欄では、自然保護について書かれていた。 いわゆる生物多様性とか自然保護と言っても、要するに人間様のご都合主義に過ぎない、と言う趣旨で、それなら自然保護などと偽善的な言葉を使わず、文化財保護と言えば良い・・・というまことに当を得た指摘であった。 しかし、この1週間、同じ趣旨の文章を何処かで見た気がしてならなかった。 あるいは最近ますますはげしくなった既視感の所為かとも思ったがどうもおかしい。 そのうち昼寝の最中にはたと気がついた。 そうだ! 故村上泰亮氏から寄贈された 『反古典の政治経済学(上下2巻)』 のなかに今後数世紀の世界の潮流を規定する3つの対立軸の一つとして挙げられていた産業主義対反産業主義の説明にそっくりだ。両氏は兄弟か親戚関係なんだろうか。
この著書は、村上泰亮氏が晩年、国際大学グローバルコミュニケーションセンターの教授として公文俊平らの活動に参画しておられた頃、富士通との共同研究会の場で何度か同席した縁でいただいたもので、特に個人的な親交があったわけではない。
それなのに、なぜお詫びしなければならないかと言うと、氏が生前富士通の山本卓眞社長(当時)に是非直接会って話しておきたいことがあると言われていたことを知り、かつ、当時の富士通本社秘書室の茶坊主が消極的でなかなか実現しないのを仄聞しながら、ついに仲介の労を執ることなく終わってしまったからである。
入社当時の課長であり結婚式では主賓としてお呼びし、新婚旅行から戻ってすぐ夫婦で上高田のご自宅へ挨拶に伺ったくらいだから、秘書室など通さず直接お願いに行けばよかったのに、どうして・・・と苦やまれてならない。かくて私の優柔不断の故に傑出した憂国者同志の歴史的会見はついに実現することはなかった。

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