ページ

ページビューの合計

2014年5月21日水曜日

「群集心理」考

若い頃は、仕事と直接関係の無い本ばかり読んでいました。 その中の1冊にキャントリルという人の書いた『社会運動の心理学』 という本があります。
27~28歳くらいのときだったと思いますが、地下鉄「南阿佐ヶ谷」駅の出口に在った小さな書店で何の気なしに立ち読みしているうちに、手離せなくなって買ったものです。

記憶に残っているのは、群集心理について、その要因、発端から消滅までの経過、その簡における参加者の心理状態を述べた行りです。
KKKのリンチ集団も、火事場の野次馬や暴徒化した市民デモも、基本的には共通の群集心理の発生から消滅までの経過を辿るということが良く理解できました。
ウクライナ事件や靖国事件、さらには小保方事件も基本的には同じような「群集心理」現象として理解できるような気がします。
それは、彼らの間に何らかの心地よい連帯感が醸成されるということです。

政治家や軍人その他の国家エリートの役割は、こうした集団心理をどういう方向に誘導するかということだと思います。メディアが発達し、かつ多様化した今日において、事態が多少なりとも改善されたのか、或いは益々制御困難になりつつあるのか何とも言えません。

国家に限らず、人間集団が、生きていくためには、協調・協力し、時には結束・団結していくことが必要です。 しかし、「対外敵対は対内結束を促す。逆もまた真なり。」(ゲオルク・ジンメル)という社会学の基本法則は、未だに健在です。
対外協調と対内連帯をどう両立させていくかは、永遠の課題でしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿