今週始めから、小泉八雲の絶筆となった、『神国日本』という300頁余りの本を読んでいます。確か、学生時代に神田か中央沿線の古本屋で見つけたのだろうと思いますがはっきり覚えていません。日米開戦の前夜の昭和13年刊、戸川愁骨訳とありますから、原文は英語なのだろうと思います。昨日、冒頭の「難解」というタイトルの数頁を読んだだけですが、素晴らしい日本文化論だという印象を受けました。きっとこの本も、戦後の焚書の対象として消されたのでしょう。
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1038370
ネット上には、国家神道正当化の根拠として引き合いに出しているサイトもありますが、そういう独断的自称愛国者や盲目的国粋主義者の恣意的な引用に利用されるのは八雲にとっては迷惑千万でしょう。冒頭の「難解」という章には、自分でさえ本当にわかったとは言えない、今後50年経っても本当にわかる西洋人は現れないだろうとまで書いているのですから。
もし、八雲が百歳まで生きて、山本七平に会ったらきっと意気投合したろうと思います。
原本は、日露戦争中に英語で書かれ、欧米人に日本が勝っても不思議はないことを伝えようとしたもののようです。原本を探して、復刻版かネットライブラリーで世界中に紹介すべきだと思いました。
これから、最後まで読むのに幾日かかるか知れませんが、読み終えたら、改めて紹介したいと思います。
英語版の所在をご存知の方がいらっしゃったらお知らせください。
2015年5月15日金曜日
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5月22日
返信削除アマゾンで見つけました。
http://www.tengyu-syoten.co.jp/book/232520
解説です。
返信削除http://hepoko.blog23.fc2.com/blog-entry-94.html
原文です。
http://www.gutenberg.org/ebooks/5979