いつもながら松岡正剛氏の書評は的確です。
http://1000ya.isis.ne.jp/0796.html
これを読むと私たち戦後育ちの日本人が、如何に江戸時代に蓄積された知的資産に無知かつ不勉強であるかを思い知らされます。
こういう教養を欠く知ったか振りの唱える 『万世一系の天皇』 論がいかに浅薄・独善的かつ危険なものであるかがよくわかります。
例えば、徳川政権の正当性を論ずることが、必然的に天皇の正当性を論ずることに繋がり、水戸光圀による大日本史編纂事業を経て、尊王思想という大政奉還や倒幕のバックボーンを形成していくという逆説的な展開には目から鱗が落ちる思いがします。
とくに、江戸初期から “天皇を諌める天皇主義者の思想” の底流があり、それが幕末の尊王思想における 『ありうべき天皇』 という見方に発展した、・・という説明にはまったく同感です。
これあればこそ、西郷隆盛や山岡鉄舟による明治天皇の人格教育もありえたと得心できます。
天皇を今日見るような理想的な君主に育てたのは江戸武士のエートスだったということでしょう。
http://byoshonikki.blogspot.jp/2014/12/blog-post_25.html
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2016年6月10日金曜日
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