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2010年6月25日金曜日

新聞コラムに見る怯懦の精神構造

2月20日 「手術同意書に見る怯懦の精神構造」
の末尾に

毎年、終戦(敗戦)記念日が近づくたびに繰り返される 『戦死者=無謀な戦争の犠牲者』、『戦没者=戦争被害者』 の大合唱も戦死者や戦没者を犬死した愚か者と罵っているのと変わらない。
その根底にあるのは、無知と自惚れ、そして怯懦の精神構造である。
天皇陛下は 、まさかそんなつもりで黙祷されているわけではあるまい。


と書いたが、今日の日経夕刊のコラム 『あすへの話題』 に、三井物産会長の鎗田氏が、若いころロンドンの長屋で隣り合った老婦人を冒涜するような駄文を寄せていた。 なぜ、私が駄文という氏の名誉にかかわる誹謗とも取れるような言い方をするのかは、解らない人にいくら説明しても、解らないものは解らないとしか言いようがない。 一言で言えば、愛国心の価値を認めずお涙頂戴物語に変えてしまうことで自己保身を図り、老婦人が誇りに思い心の支えともしていた 父(第1次世界大戦で)、夫(第2次世界大戦ダンケルク敗戦で)、一人息子(同ロンドン空中戦で)の勇敢な戦死を犬死扱いしていることに気づかないか、或いは気づいていながらそれを讃える勇気を持っていないことが明らかだからである。 もし、日経のロンドン版にこの文章がそのまま掲載されたら、遺族から名誉毀損で訴えられかねない。 要するに、その根底にあるのは、無知と自惚れ、そして怯懦の精神構造である。 この人もまた、江藤淳の言う 閉ざされた言語空間 の住人だという事になる。 つまり、『仁・義・礼・智・信・勇・忠・孝・悌・和』 の徳目とは無縁の唯の商売人に過ぎないということだ。 そう言えば、日本経済新聞というのは元々商売人のための専門紙だった。 それが近頃えらそうにクォリティーペーパーとか言って中途半端に政治などを論ずるようになったのでつい余計な期待を掛けたのが間違いの元か。 我が家の近くにある新聞屋は朝日と日経しか扱っていないし、朝日よりはゾンビ化の程度が低いと思ってとっていたが、むしろ乙に澄ましているだけ余計たちが悪い。 それにしても政治は論じてもその一環である軍事を毛嫌いする理由がわからない。 国のために戦ったWBAでのイチローやワールドカップでの本田を讃えるなら、中国、ロシアの偵察機(軍艦)の領空(領海)侵犯に対して果敢にスクランブルを挑む自衛隊兵士も同じように讃えるべきだ。 こんな当たり前のことを一々言わなければならないのは世界中で敗戦後の日本だけだ。 閉ざされた言語空間 に住む ゾンビ たる所以である。

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