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2014年6月24日火曜日

「敗者の戦後・・ナポレオン、ヒトラー、昭和天皇」 入江隆則著

「敗者の戦後・・ナポレオン、ヒトラー、昭和天皇」 1,989 入江隆則 (中公選書)

序文の論旨を、私なりに要約すると、大略、以下の通りです。

1、古代から現代までに行われた1万数千回の戦争は、大きく三つの類型に分類される。
①古代ローマに代表される征服戦争⇒敗者の抹殺(戦後は存在しない)。
②西欧および日本の近世における貴族戦争⇒節度と美学に基づく決着。
③ナポレオン戦争以降の国家総力戦⇒征服戦争化と歯止めの模索。

2、クラウゼビッツは、それらを認識した上で、有名なテーゼ 『戦争は他の手段を以ってする政治である』 を強調したが、其処には、「政治とは、飽くまでも国家間の矛盾の調整を目的とする技術の謂いである」という大前提があった。
(私見: したがって、他国の征服や抹殺を政治目的とする国家が存在した場合、このテーゼは、まったく無意味となる。その場合は次のように言い直すべきだろう・・『戦争はあらゆる手段を以ってする政治である』
あらゆる手段と言う以上、当然その中には、核操作型兵器、遺伝子操作型兵器、情報操作型兵器は元より、謀略や奸計など、孫子の示唆するあらゆる戦略、およびその悪用が含まれる)

3、日本の近代百年戦争の動機や経過、またそれが近隣諸国にもたらした影響や結果は、ナポレオン戦争のそれに酷似している。
①歩兵を主体とする平民軍が動員された。
②当初は、自衛的戦争だったが、連戦連勝で驕りが生じ、侵略的色彩を帯びるに至った。
③版図は急膨張したが、敗戦とともに戦前の規模に縮小した。
④その過程で、周辺各国の独立と改革を促した。

4、日本国憲法9条が引き摺るパリ不戦条約の矛盾と苦悩。





以下は、第1~3章からの引用です。
・・つづく
(2015年12月31日; 時間が経ち過ぎたので以下省略します。各自、購入して読まれることをお勧めします。安倍70年談話を縛る敗戦の桎梏を理解するには必読の良書だと思います)



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