私には2歳年上の兄と3歳年下の妹がいる。https://byoshonikki.blogspot.com/2010/04/we-are-three.html
妹は私が75歳の時、72歳で亡くなった。https://byoshonikki.blogspot.com/2015/06/blog-post.html
その妹が立教大学の史学科4年生の時、卒論のテーマに当時今以上に異端視されていた東北王朝説に取り組んで論証に四苦八苦していたので、卒論経験のなかった私も勉強を兼ねて資料探しを手伝った記憶がある。表題もよく覚えていないが、確たる資料が得られなかったので、多分、エッセイだという含みで「東北王朝説再考」いう腰の引けた表題にしたような気がする。教授からはこれは君が考えた主張なのか誰かの説をとったのかと質問されて、自信のなかった妹は自分の説だと言い切れなかったらしく、結果は良だったと言ってがっかりしていた。もし私が事前にオリジナルだと答えるようにアドバイスしていたらといまだに悔いが残っている。論文としての完成度の如何にかかわらず、あの時代に学会主流派の定説に真っ向から反論した妹の卒論は私の誇りである。
妹は東北王朝をテーマにすることを決めた後、病躯を忍て単身、仙台まで行き東北大学の教授に会ってきたと言っていたが、教授の名前も話の内容も全く聞かずじまいだった。1966年のことだったから田中英道氏が東北大学講師になられる7年前だったことになる。最近国史学会の開会挨拶で田中氏が「敗戦意識の否定と浜田マキ子さんの死」と題する講演をされているのをYutubeで目にしたので、私の不憫な妹と華やかに活躍された彼女の記憶が重なって感無量だった。https://50yearsagotoday.blogspot.com/2011/09/1961914.html