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"足尾線" は、当時、我々の間では "のろま" の代名詞になっており、中学・高校時代、受験勉強から逃れて何度も自転車で競走したものだ。
その途中、古路瀬(ころせ)渓谷の夕日に映える紅葉の絶景に息を呑んだことを昨日のことのように思い出す。
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この2年半、闘病生活を続けて来られたのも、一つにはもう一度あの絶景を目の当たりにしたいとの思いからだったといっても過言ではない。
平成20年11月19日早朝、突発的に急性A型大動脈解離を発症、意識不明まま16℃の超低温下で数時間におよぶ緊急手術を受けることとなった。幸か不幸か一命を取り止めたものの、その後4ヶ月間の入院治療と1年以上に及ぶ何時果てるとも知れぬいわゆるリハビリの中で色々と考えさせられた。この間に体験した人生観の転換及び後遺症を軽視した延命優先治療への疑問、その他、現代世相への違和感について書き残しておきたい。
関口益照サイト 『一期一会』(Our Eternal Moment)